COLUMN · 2026.05.12

働きながら障害年金を申請して不支給になる理由と対策

「仕事をしていると障害年金はもらえない」と思い込んでいる方は少なくありません。しかし、就労の有無は障害年金の受給要件に直接含まれておらず、働きながらでも受給できる可能性は十分にあります。一方で、就労している事実が審査において不利に働き、不支給となるケースも実際に存在します。当事務所でご相談をお受けする中で、「働きながら申請して不支給になった」という方からのご依頼は少なくありません。この記事では、就労中に申請して不支給になりやすい理由と、その対策について詳しく解説します。

就労資料の書類見直し

働きながらの申請は、提出前と不支給後で見る資料を分ける

短い答え: 働いている事実だけで諦める必要はありません。提出前は生活制限を、すでに不支給なら決定理由と就労実態の見られ方を整理します。

  • 診断書日常生活能力、就労上の配慮、症状の波を確認します。
  • 初診日転院歴、カルテの有無、紹介状、お薬手帳を整理します。
  • 次の一手就労資料: 勤務時間、配慮、欠勤、帰宅後の生活、支援を診断書と照らします。
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勤務先の配慮、休職歴、欠勤、家族の支援を、提出前または不支給後に整理できます。

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1. 就労していても障害年金を受給できる可能性がある理由

障害年金の支給は、「日常生活や労働に支障をきたす程度の障害があるか」という観点から審査されます。法令上、就労していることが即座に不支給理由になるわけではありません。実際に、身体障害や精神障害を抱えながら短時間勤務や特別な配慮を受けて働いている方が受給しているケースは多数あります。

ただし、就労の状況は審査において「日常生活能力の参考情報」として確実に考慮されます。したがって、どのような状況で働いているかを正確に伝えることが非常に重要になります。

2. 精神疾患で就労中に不支給になりやすい主な理由

特に精神疾患(うつ病・双極性障害・統合失調症・発達障害など)での申請において、就労が不支給判断に影響するケースが目立ちます。その背景には、精神疾患の障害認定が「日常生活能力の程度」に大きく依存しているという構造があります。

  • 就労の事実が「軽症」と判断される:フルタイムで一般就労しているという情報だけが伝わると、「社会生活を送れる程度の能力がある」と評価され、障害等級に該当しないと判断される場合があります。
  • 就労の実態が診断書・申立書に反映されていない:職場で受けている配慮の内容(業務の簡略化、頻繁な休憩、上司のサポートなど)が書類上に記載されていないと、実際よりも良好な状態と見なされる可能性があります。
  • 主治医が就労の困難さを正確に把握していない:通院時に「なんとか働いています」と伝えるだけでは、診断書に就労上の制約が記載されないことがあります。

3. 不支給を招く申請上の具体的なミス

就労中の申請で不支給になる背景には、書類の作り方における問題が潜んでいることが多くあります。当事務所が依頼案件を分析する中で、以下のような点が不支給の一因となっているケースを繰り返し確認しています。

  • 病歴・就労状況等申立書に就労の困難さが記載されていない:申立書は申請者本人が作成する書類ですが、「働けている」という事実のみが書かれ、「どれほど無理をして働いているか」「どのような支援があって成立しているか」が伝わっていないことがあります。
  • 診断書の「日常生活能力の程度」欄が実態より高く記載されている:主治医が就労実態を十分に把握していない場合、日常生活能力の評価が実情より高くなり、障害等級に届かないことがあります。
  • 障害の種別に応じた認定基準を意識していない:精神疾患の場合、障害等級2級の目安は「日常生活が著しい制限を受ける状態」とされています。就労している場合でも、その就労がいかに制限された環境・条件のもとで成立しているかを示す必要があります。

4. 就労中の申請で就労実態を伝えるための対策

就労しているという事実と配慮・欠勤・帰宅後の状態を正確に伝えることが、審査で実態を見てもらうための前提です。「働いている=軽症」という誤解を審査側に与えないよう、書類全体で一貫した説明を構築する必要があります。

具体的な対策としては、以下の点が挙げられます。

  • 主治医に就労実態を詳しく伝える:診察の際に、職場での配慮内容・欠勤・早退の頻度・業務の制限などを具体的に報告し、それが診断書に反映されるよう働きかけることが重要です。
  • 申立書で就労の「質」を丁寧に説明する:単に「勤務している」ではなく、「上司が常に業務の優先順位を決めてくれなければ動けない」「週に複数回、体調不良で早退している」など、就労の困難さを具体的に記述することが求められます。
  • 職場の配慮に関する証拠を用意する:産業医の意見書や、職場から取得できる就労実態に関する書面が、補足資料として審査の助けになることがあります。
  • 障害認定日時点の状態を丁寧に記録する:障害年金は認定日(原則として初診日から1年6か月後)時点の状態で審査されます。その時期に就労していたとしても、その状態がいかに制限された状態であったかを記録しておくことが重要です。

5. 一度不支給になった場合に取れる手段

申請して不支給の決定が届いた場合でも、手続きが終わりというわけではありません。不支給決定を受け取った翌日から3か月以内であれば、審査請求(不服申立て)を行うことができます。審査請求でも認められない場合は、さらに再審査請求、または行政訴訟という手段があります。

また、不支給の理由を精査した上で、改めて申請(再申請)を検討する方法もあります。ただし、再申請に際しては前回の申請との整合性が問われることがあるため、専門家のアドバイスを受けながら進めることが望ましいと言えます。

当事務所では、不支給となった案件の審査請求サポートも行っており、書類のどの点が審査に影響したかを丁寧に分析した上で対応策をご提案しています。

6. まとめ:就労の「有無」より「実態」を正確に伝えることが重要

就労中の障害年金申請において最も大切なことは、「働いているかどうか」ではなく、「どのような状態で、どのような条件のもとで働いているか」を書類で正確に表現することです。審査は書面審査であるため、実態がそのまま伝わるわけではありません。伝わる書類を作ることが、申請の成否に直結します。

精神疾患・身体疾患を問わず、就労の事実があるために申請を諦めている方や、一度不支給になった方も、状況によっては受給できる可能性があります。書類の内容や進め方に不安を感じている場合は、申請前に専門家へ相談されることをお勧めします。

FREE CONSULTATION

障害年金の申請・審査請求のご相談は当事務所へ

初回相談は無料です。完全成功報酬制で、全国からご相談を承っております。


※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。個別の申請可否・受給可能性は個別事情により異なります。

執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)

読了後の次の行動

働きながら不支給になった後に、次に確認したいこと

働いていること自体で一律に決まるのではなく、勤務時間、職場の配慮、欠勤・早退、業務内容、日常生活能力が診断書や申立書にどう反映されていたかが重要です。読後は、就労の事実と実態を分けて整理しましょう。

まず確認

不支給理由、診断書の日常生活能力欄、申立書の就労記載、職場で受けている配慮や制限を見直します。

次に読む

就労と障害年金の関係、精神障害年金の認定基準、不支給後の再申請を確認します。

相談前に整理

勤務形態、欠勤・早退、業務軽減、障害者雇用、家族や職場の支援、帰宅後の疲労や生活への影響をまとめます。

DENIAL EVIDENCE ROUTE

働いていたことが争点なら、就労実態と診断書を分けて戻します

働いている事実だけで不支給と決まるわけではありません。勤務時間、配慮、欠勤、帰宅後の状態、診断書と申立書の表現を分けて確認します。

通知書と前回資料を、争点別に3つへ分けます

書類の見え方

診断書、申立書、障害状態確認届で、生活や就労の制限が軽く見えていないかを確認します。

基準とのずれ

認定基準、等級、初診日、納付要件のどこが不利に判断されたかを分けます。

追加できる証拠

医療資料、就労状況メモ、第三者証明、前回資料の控えから補える点を見ます。

資料がそろっていなくても、通知日・理由の見出し・診断書控えの有無だけで入口を整理できます。

理由を読む

通知書の文言を、診断書・認定基準・就労・初診日などの争点に分けます。

期限を見る

不支給・支給停止は3か月以内かを確認します。審査請求の棄却後は、再審査請求の2か月期限を別枠で見ます。

資料を送る

通知書、前回診断書、申立書、就労や生活状況メモを相談で確認できる形にします。

就労状況をフォームで相談 不支給通知ガイドを受け取る

電話が負担な方は、通知日・理由の見出し・手元資料の有無だけでもフォームで送れます。

WORK DENIAL INTAKE

就労が理由に見える不支給は、勤務実態と書類の見え方を分けます

「働いていたから無理」と決めつける前に、勤務時間、職場配慮、欠勤・早退、帰宅後の生活、診断書と申立書の見え方を分けて確認します。

就労が争点の不支給では、期限・実態・書類を分けて見ます

通知日

不支給決定を知った日の翌日から3か月以内か、まず期限を確認します。

就労実態

勤務時間、雇用形態、職場配慮、欠勤・早退、帰宅後の生活への影響を整理します。

書類の見え方

診断書の日常生活能力欄と申立書が、実態より良く見えていないかを比べます。

通知日、勤務形態、職場配慮、診断書控えの有無だけでも送れます。審査請求と再申請のどちらを先に考えるべきかを整理します。

期限内

就労実態が書類に反映されていないなら、審査請求で補足資料と主張を組み立てます。

状態変化あり

不支給後に症状や就労状況が変わった場合は、再申請との比較が必要です。

更新・停止

受給中に働き始めた方は、更新前から診断書と生活状況メモを整えます。

就労状況をフォームで相談 不支給通知ガイドを受け取る

働いている事実だけでなく、配慮・欠勤・帰宅後の生活・診断書の見え方を一緒に確認します。

POST DECISION STAGE MAP

就労が争点になった不支給は、期限と働き方の資料を分けます

働いていたことが不利に見えた場合でも、勤務配慮、欠勤・早退、帰宅後の状態、診断書の書かれ方を分けると、審査請求か再申請かの入口を決めやすくなります。

通知後は、日付・処分の種類・手元資料を先に分けます

日付と期限

通知を受け取った日、処分を知った日、審査請求・再審査請求それぞれの期限を確認します。

処分の種類

不支給、支給停止、減額、額改定結果、審査請求の棄却を分けて見ます。

手元資料

通知書、診断書控え、申立書、障害状態確認届、決定書、追加できる医療資料を確認します。

資料がそろっていなくても相談できます。通知日・理由の見出し・手元資料の有無だけでも、フォームで入口を整理できます。

3か月以内

不支給や支給停止の処分自体に不服がある場合は、審査請求の期限を最初に見ます。

更新・減額

障害状態確認届の診断書控えと発効日を見て、審査請求や額改定請求の余地を分けます。

棄却後

審査請求の決定書と追加証拠を確認し、再審査請求・訴訟・再申請を比較します。

通知日と理由をフォームで相談 不支給通知ガイドを受け取る

電話が負担な方は、通知日・理由の見出し・手元資料の有無だけでもフォームで送れます。

WORK DENIAL FAQ

働きながら不支給になった場合の争点をFAQで整理します

就労そのものではなく、勤務実態と書類でどう見えたかを分けると、審査請求・再申請・資料補強の入口を決めやすくなります。

働いていたことだけで障害年金は不支給になりますか?
働いていた事実だけで直ちに不支給が決まるわけではありません。勤務時間、職場配慮、欠勤・早退、帰宅後の生活、診断書と申立書の表現を分けて確認します。
就労が理由に見える不支給では、相談前に何を送ればよいですか?
不支給通知、通知日、診断書控え、申立書控え、勤務形態、配慮内容、欠勤・休職の状況が分かる範囲であれば相談できます。そろわない資料は後から確認します。
審査請求と再申請はどちらを先に考えますか?
まず通知を知った日の翌日から3か月以内かを確認します。期限が残る場合は前回処分の争点、期限後や状態変化が中心なら再申請を比較します。
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電話が負担な方は、通知日・理由の見出し・手元資料の有無だけでもフォームで送れます。

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